スペインでの一人旅をきっかけに、トルコ、ヨルダン、日本では、北は北海道、南は九州・熊本までをヒッチハイクで移動した私。
待ち時間をできる限り減らし、より快適なヒッチライフのために、絶対役立つコツをお教えします。
ヒッチハイクは、お金をかけずに旅をできる、貧乏パッカーにとって一度はチャレンジしたい移動方法のひとつ。
でもやっぱり、つかまらなかったらどうしよう・・・・女性一人では危険かも・・・。
そんな心配が尽きないのが実のところ。
もちろん、初対面の人のプライベートな空間に立ち入り、密室の中で一定の時間を過ごすのですから100%安心安全とは言い切れません。
そこで、危険を未然に防ぐために気を付けたいこと、乗ってからの対応なども合わせてご紹介。
ハマれば最高、安全で楽しく、交通費もタダのヒッチハイクの旅を!
まず、ヒッチハイクをより良いものにし、大成功へと近づけるため、出発前に準備をしましょう。
コツは、ドライバーさんの立場になって考えること。
ドライバーさんは大きく分けて3通り。
- 誰でも乗せる
- 誰であろうと絶対に乗せない
- 状況・相手次第で乗せてもいい
1.誰でも乗せる
1の人は、ヒッチハイカー大歓迎のスーパーフレンドリータイプです。
ヒッチハイカーを見れば、少しくらい無理をしてでも乗せてあげたいと考えている懐の深い人です。
こんな人は、自分の目的地を超えてでも遠回りしてくれたり、一度帰宅し自分の車で戻って来てくれたり、信じられない優しさでヒッチハイカーを驚かせてくれます。
1の人に出会えれば超ラッキー。行き先が合えばさらにラッキー。
どんな長距離でも一緒に行ってくれます。
そして話すのが好きなので、質問責めにされ、話題は尽きません。
ただし、こちらも話を盛り上げないと、ガッカリさせてしまうことがあります。
乗せて頂いている間は、色んな話題を振ったり、うまく相槌を打ったりして、「楽しかった、乗せて良かった」と思ってもらえるように頑張りたいところです。
2.誰であろうと絶対に乗せない
2の絶対に乗せない人ですが、大部分のドライバーさんがこれに当てはまります。
人見知りや潔癖症の人は言うまでもないですよね。
そうでなくとも知らない人を乗せるなんて、リスクはあれど見返りなど何もないので、当然と言えば当然です。
2の人はこちらと目が合わないようにスルーします。
変に期待させないハッキリした態度はむしろありがたいです。
3.状況・相手次第で乗せてもいい
3は、ヒッチハイカーを見て、乗せるかどうか決めるという人です。
もちろん、行き先や時間の都合で乗せられない、人数オーバーなどといった細かな理由でスルーということはありますが、それらはどうにもできないので仕方ありません。
ですが、ヒッチハイカーを見て、「この人だったら乗せてもいいかな?」と思ってくれるケースというのは決して少なくないのです。
私もそのパターンで数々のドライバーさんにお世話になってきました。
このドライバーさんの気持ちを掴めるかどうかが、移動距離、つまり成否に直結します。
掴めなければ、1の人だけをひたすら待つことになります。
3.ヒッチハイクで車に停まってもらうコツ
それでは、キーパーソンとなる 「3の人」 にどうやって停まってもらうかをお教えします。
3の人は、元々私のことなど知りません。
必ずしも私の味方というわけではありません。つまり、無条件で拾ってくれるわけではありません。
こちらからはたらきかけない限り、彼らの関心をひくことはできないのです。
選挙で言ったら浮動票のような存在です。
浮動票とは・・・
選挙のたびに投票する政党や候補者を有権者が変える未確定な票。
浮動票は地盤などで固定されておらず、個々の選挙時における国の内外の状況や選挙運動の戦術によって投票先が変わる。
政党や候補者にしてみれば、選挙運動でいかに浮動票を集めるかが選挙の勝敗を握る鍵となる。
これをヒッチハイクに当てはめると
場面次第で拾うかどうかをドライバーが判断する未確定な出会い。
乗せるかどうかに関して、強いこだわりを持たないので、個々の運転時における車内の状況やヒッチハイカーの印象によって判断が変わる。
ヒッチハイカーにしてみれば、SAでいかに彼らの関心を引くかがヒッチハイクの成否を握る鍵となっている。
お分かりいただけただろうか。
どうでもいい比較対象で余計分かりづらくなりましたか。
それでは、具体的な戦術です。
まずは身だしなみ。
自分がドライバーだったらと考えてみてください。
いかにも不潔な感じの人は乗せたくないですよね?
ディーン・フジオカ (清潔感のある俳優第二位) と、ここに来る前どこに腰を下ろしたか分からないような薄汚れたパンツを穿いた人だったら、こざっぱりの人だけは乗せてもいいと思うドライバーさんが多いと思います。
それほど気にしないタイプの人でも、やはりシートが汚れるかも?と思うと二の足を踏みそうですよね。
ヒッチハイクや野宿を続けていると、身だしなみをキレイに保つのは難しいかもしれませんが、とても重要ポイントなので、気を付けましょう。
髪をきちんと束ねる・髭を剃る・汚れたバックパックは背後に隠すなど、ちょっとした工夫で何とかなります。
清潔感が大事な理由はもうひとつ。身ぎれいな人がヒッチハイクをしていると、良くも悪くも「何でこの人が?」と興味を惹くことができます。
ちょっと話を聞いてみたいという興味本位から乗せてくれる確率が上がります。
紙とマジックを用意
身だしなみを整えたら、次は行き先を書いた紙。これはヒッチハイカーの唯一にして最重要アイテムです。
早速書いてみましょう。
紙はスケッチブックでなければと思っている人も多いのですが、私はスケッチブックを使ったことはありません。
買うと高いからです。貧乏だからヒッチハイクをしているのに、
ヒッチハイク専用アイテムにお金をかけるなんて本末転倒。
自宅から出発するときは、コピー用紙の裏を使うことが多いです。
うちの母が、終わった月のカレンダーを捨てずに取っているのですが、サイズが大きく、ほどよい厚みもあって大変使いやすいです。
ちなみに母は私がヒッチハイクをしていることを知りません。
一番最近では、段ボールを利用しました。
リゾバで訪れていた四国から実家のある九州まで、予定外にヒッチハイクすることになり、裏紙の用意がなかったからです。
お願いすればコピー用紙ももらえなくはないのですが、エコに生きる自分としては、真新しい用紙をもらうのは忍びなく・・・。
バックパック置き場として利用していたアマゾンの箱を利用することに。
注文したのは手の平よりも小さな商品でしたが、箱はバックパック置き場としては最適の大きさでした。
とりあえず展開
段ボールでも、まったく問題ありません。
晴天の昼間に白いコピー用紙を使うと反射して見えにくいので、むしろ都合が良いくらい。しかも風に飛ばされにくい。
下書きするあたり、けっこう細かい性格です。
マジックでなぞります。下書きを大きくはみ出すあたり、おおざっぱな性格でもあると分かります。
茶色な分、字は大きく目立つように書く必要があります。紙面いっぱいにハッキリと、読みやすい字で書きます。
通常は、その場その場で書くのですが、この時はマジックが借り物だったので、持って行くことができず。
メインとなる地名をあらかじめすべて書いてから出発しました。
今治と広島を通過したら上半分を破り捨てられるよう、ミシン目を入れます。やっぱり細かい性格か。前の住人が残していった眉用のカミソリが役に立ちました。
地名を書く時に大事なこと
・あまり遠くの地名を書かない
東京でヒッチハイクをする人が、「大阪」と書かれた紙を持って立っていたらどうでしょうか。
名古屋まで行く人も、「大阪まではちょっと・・・」となってしまう可能性が高いです。
こちらは大阪の途中まででいいと思っていても、すべてのドライバーさんにそれを酌んでもらうことは期待できません。
逆に近くの地名が書かれていれば、長距離・近距離、両方のドライバーさんから拾ってもらえる可能性が出てきます。
「30分くらいなら乗せてみてもいいか・・・」 から、意気投合して3時間くらい乗せて頂けることもしょっちゅう。
私は、高速なら隣県、下道なら近くの大きな市の名前を書きます。
「〇〇方面」と書いておくと、具体的にはどの辺?と声をかけてもらえ、チャンスが広がる場合もあります。
・字は太く、濃いめに
より遠くのドライバーさんにアピールするには、視認性を上げることです。
直前に気付いてもらっても、停まるヒマがなく通り過ぎてしまったり、判断できなくてそのままスルーされてしまいます。
少し前から気付いてもらえれば、その分ドライバーさんにも考える時間が生まれます。
乗せるかどうか決心するには、それなりに時間が必要です。
準備ができたら、いざ、出発です。
立つときのポイント
・とにかく笑顔で
ヒッチハイクの成功率を上げる重要ポイントとして、「悪い人ではなさそう」、そしてできれば「なんかおもしろそう」 と思ってもらうことが大切です。
誰も、つまらない人を乗せたくありませんよね。
人助けになればというボランティア精神で乗せてくれる優しい方ももちろんいますが、少なからず会話が弾むこと、楽しい時間を過ごせること、面白い話が聞けることを期待しているはずです。
無表情だと、「会話が盛り上がらないかも」「気まずくならないかな?」と懸念されるおそれがあります。距離があればなおさらです。
自分は明るく楽しい人間で、会話にも困らなそうな雰囲気を醸し出しましょう。
実際は人見知りな人がヒッチハイクにチャレンジする場合もあるかと思いますがご心配なく。私自身、子供の頃からひどい人見知りです。
車内での会話を心配する前に、まずは拾ってもらわなければ成功も何もありません。
暑くても寒くても、笑顔第一!
・時には動いて見せる
手を振ったり、ジャンプしていると遠くから気付いてもらえると同時に、楽しそうアピールもできます。
・車が停まりやすい場所に立つ
ここで、距離別、立つ場所のポイント!
長距離の場合、駅前はNG!
自分が運転する場合を考えてみてください。
車で駅に行くのってどんな時ですか?誰かの送り迎えか、駅周辺のお買い物など、そこで用事が済んでしまうときではないでしょうか。
遠出しようと思うなら、渋滞する駅前を避け、制限速度の高い幹線道路を通りますよね。
人通りの多さ=ヒッチハイクの成功率ではありません。
むしろ、あまり車の多くない道の方が、交通量に対して停まってくれる割合が高いと思います。
交通量が多い場所では後続車を気にして停まりにくい。
加えて、「誰か別の人が~」と他人任せの法則がはたらいてしまうからです。
以前、北海道の田舎町にある、まるで無人の道の駅に、置き去りにされたことがあります。時間は深夜、通ったのは20分近くの間にたった1台だけ。
その1台が、一度通り過ぎてから引き返して拾ってくれたのです。
最初は幽霊だと思ったそうです (笑) が、「もし人間だったとして (笑) 自分たちが見捨てたら、朝まで誰にも拾ってもらえないかもしれない」と思ってくれたのだそうです。
実際、その人たちにスルーされたら次はいつ車が通るか分からないほど人気がなく暗い場所でした。そんな場所でも、心優しい人が1人通ってくれれば何とかなります。
交通量は問題ではないのです。
長距離のドライバーさんに拾ってもらうには
一にも二にも、高速から出ないこと。
ドライバーさんが高速を出てしまうなら、手前のサービスエリアか、ICを出てすぐの所で降ろしてもらいましょう。
大きなSAなら24時間営業の場合も多く、食堂やコインシャワーなんかも利用できて休憩に便利です。
温かいお茶が無料で飲めたりして、深夜でも安全に過ごせます。
下道なら、幹線道路がいいでしょう。
コンビニやファミレスなど、車が安全に停まって乗り込める場所に立ちましょう。
広めの駐車場があれば、一度車を停めてから降りて呼びに来てくれることもあります。
コンビニが無ければ、停車可能な路側帯を探しましょう。
停まりやすい場所の方が拾ってもらえる確率は上がります。
信号待ちのドライバーさんを狙う人もいますが、後続車がいる場合や青信号では逆に難易度が上がります。
車のナンバーもチェック。県外なら、高速道路や市外に向かう可能性が高いです。
短距離の場合、地元の人が通るようなバイパスが有利
短距離の移動なら、どこに立っていてもいいのですが、あまり交通量の多くない道の方が停まりやすいく、高確率。
「自分が拾ってやらなきゃ、こんな寂しい場所でいつまでも立つはめになるかも」と優しい人が拾ってくれます。
地元の方からは、美味しいお店の情報などを頂ける場合も。
停まってもらったら
- 速やかに車まで駆け寄り、元気よく挨拶。「○○方面に行きたいんですが~」 と改めて行き先を伝え、「おじゃまします」と爽やかに、速やかに乗り込む。
乗り込んだら
- 「停まってくださってありがとうございます、〇〇と申します」と名乗る。
- ドライバーさんの行き先を尋ね、降ろしてもらう場所を決める
- 目的地まで楽しく会話
先ほど、人見知りであると言いましたが、ヒッチハイクの時だけは、陽気な自分になりきって、相手の好みそうな会話や相槌で何時間でも乗り切ります。
降りるとき
- 笑顔でお礼。最後まで乗せてあげて良かったと思ってもらえる態度を。
あと、これは騙し討ちっぽいのですが一応書いておきます。
紙には近くの地名を書いておき、最終的に距離を伸ばすというものです。
乗ってからドライバーさんの行き先を尋ね、もし最初に約束した場所より遠くまで行かれるのであれば、「そこまでご一緒してもいいですか?」とお願いしてみます。
福岡から北九州と書いておいて、広島まで乗せてもらったり、尾道から広島と書いておいて北九州まで乗せてもらったり・・・この作戦でかなり距離を稼げます。
いきなりでなく、しばらく会話が弾んでからがいいでしょう。
相手が自分に対して好印象を持ってくれていると感じた場合は、積極的に。
降ろしてもらう場所は、乗ってから早い段階で決めておきましょう。
後の方になると、考える時間が足りなくなり、変な場所で降ろされてしまうことがあります (実際にとんでもないところで降ろされ、苦労したことが何度もあります) 。
例えば、途中で行き先が逆方向に分かれてしまう場合。
その手前で降ろしてもらうにしても、少しでも次の車をつかまえやすい方がいいですよね。
先にご紹介した立つ場所のポイントを参考に、高速のSAや広い幹線道路など、車が停まりやすく交通量もそこそこの場所に降ろしてもらえるようお願いしましょう。
けっこうやっかいなのが、その土地を良く知っているという自負がある人。
地元の人や、トラック運転手さんなどにまれにいらっしゃいます。
そして、「ドライバーさんが思う」 ヒッチハイクに適した場所へと、相談なしに連れて行かれることがあります。一度まずい場所に行ってしまうと、戻るだけで大幅な時間のロスが発生します。
そうなる前に、駅前はNGなど、あらかじめハッキリと伝えておきましょう。
地元を良く知っている人でも、ヒッチハイクに関してはそうではありません。
ヒッチハイク経験の無い人は、「とにかく人通りの多い場所」 がベストだと考えています。
そこから駅前という発想になりますが、それが正しくないのは、上で説明した通りです。
とにかく、短時間での移動を目指すならルートから外れないこと。
これに尽きます。
ついつい「あっちの方が車が多いかな?」とふらふら行ってしまいがちですが、100%遠回りです。
繰り返しますが、交通量は問題ではありません。
大事なのは、「目的地に直接通じる道かどうか」 です。
時間に縛られない旅だったり、人との出会い・ふれあいを一番の目的としたヒッチハイクなら別ですが、目的が移動メインであれば、ルートを決めておき、それを愚直に進むことです。
私が実際に移動した長距離の例として、熊本ー関西国際空港間。
実際にかかった時間は約12時間です。
休憩なしで言った場合、高速利用で9時間半なので、休憩しつつ移動したにしてはまずまずではないでしょうか。
北海道の稚内フェリーターミナルから新千歳空港までヒッチハイクをしたときは、往路9時間、復路はなんとわずか6時間。
どちらも暗くなってからなので難易度は高め。のはずが、どちらも余裕の到着。復路に至っては、着くのが早すぎて空港の前で待ちぼうけしてしまったほどです。
夕食をごちそうになったり、おにぎりやアイスを買ってもらったりと、北海道の人の優しさ大きさに感動した覚えがあります。
まとめ
笑顔でヒッチハイク!
乗り降りするのは下道なら幹線道路沿いのコンビニや駐車場、高速なら大きめのSAで!駅はNG。
乗ったらドライバーさんと楽しくお話!眠るのはもってのほか降ろしてもらうときは全力でお礼を言おう!
旅をもう一歩エキサイティングにするなら。
ヒッチハイク、最高です!