ペナン島から丸一日かけてたどり着いたタイ南部の街ラノン。
ここで食料を調達し、船着き場へと向かうことに。
夜行バスに8時間揺られ、早朝にバスターミナルに到着。
電源を見つけたので、まずは湯を沸かしコーヒータイム。
バックパッカーの必需品、電気コイルは、電源のあるところ、どこでもお湯が沸かせます。
周囲の白い視線を無視してコーヒーを飲んだら、中心部までは徒歩。
トゥクトゥクも停まっていたのですが、夜明け前で涼しいし、距離も1,5㎞ほどなので歩くことに。
トゥクトゥクを使うなら、マーケットと伝えると中心部へと連れて行ってもらえます。
料金は15バーツくらいだと思います。
ボッタクリが心配な場合は先に料金を尋ねておきましょう。
市場の中に食堂もいくつかあります。まだ朝早いので人影もまばら。
お坊さんが托鉢にやってきました。
食べ物やお金を喜捨しています。
市場の前のセブンでスナックと飲み物を買い、お店の前でのんびりしていると、ミャンマーからの出稼ぎ労働者らしき人たちがやってきました。
顔にタナカと呼ばれる日焼け止めを塗っています。
写真を撮っていると微笑みかけてくれました。
セブン横のテスコで、非常用にインスタントヌードルやスナック菓子、常温保存できるソーセージ、カシューナッツを購入。
カシューナッツは350gで200バーツ以下。激安。
タイでは、ここラノンがカシューナッツ最大産地のひとつ。高品質のナッツがお安く手に入ります。
ちょうど同時期に、父がチェンマイに旅行に行きました。
偶然、父もお土産にカシューナッツを買ってきていたのですが、満場一致でラノン産に軍配。
買い物を済ませて通りに出たら、マーチングバンドがやってきました。
きれいな女性たちです。
カメラ目線いただきました。
子供たちの隊列も
性別の判断はシロウトには難しい。
結局どういう団体だったのかは不明ですが、そこそこ長かったです。
ボートの出発時間が近づいてきたので、ソンテウに乗って港へと向かいます。
ブルーのソンテウが港行きです。料金は片道15バーツ。
港の前にはわずかですがカフェなどがあります。
腹ごしらえや買い物もここでできますが、私は利用していないので値段などは不明。
観光客向けなので割高だと思います。実際、欧米人ばかりでした。
船着き場に到着。
パヤン島行きのボートもここから出ています。
「コチャーン (チャーン島) 」と告げるとチケットを出してくれます。料金は片道200バーツ。パヤン島行きのボートは300だったかな?
パヤン島は、チャーン島の少し先にあり、バーやレストランが充実しています。その分観光客が多く、宿などの料金も全体的に高めです。
対してチャーン島は静かなのが取り柄といった感じの島。ビーチが人で埋まることも、夜中までバーの音楽が響くこともありません。
パーティ好きな人はパヤン島がおすすめです。
チャーン島へ来ている人のほとんどは口コミで来る人やリピーター。
数年に渡り、年間1~2ヶ月滞在しているという人も珍しくありません。
島の人に聞いても、日本人を見たことは無いとのことで、たぶん私が最初の日本人。
ドイツ人やイタリア人の間でよく知られた島なのだそうで、島で出会う人は地元の人とミャンマーからの出稼ぎ労働者を除けば欧米人しかいません。
日本人が誰も行ったことのないチャーン島。
実は、バンコクから車と船で4時間ほどの場所にもチャーン島はあります。そちらは割と日本人にも知られており、バンコク在住の人の週末リゾートとして人気です。
Google mapなどで検索するとそちらが出てきます。
ボートに乗ったら、およそ1時間の船旅。途中、数か所の浜辺に停まり、そのたびに乗客が下りていきます。みんなすでに自分の定宿を決めています。
私たちが滞在したのは3番目に停まるビーチの目の前にあるGolden Bee Guest House。
ここが島の中で一番安いらしいです。
ボートを降りる様子。
波打ち際までは寄せられないので、膝まで浸かって浜に上がる必要があります。
リピーターは水着や短パン姿、私だけが初めてだったので長ズボンを濡らしながらの下船となりました。
全室バンガローで、1泊250バーツから。一応オーシャンビュー。海が木々の向こうに見えます。
コントラストがきつくて写っていませんが、肉眼だと向こうに海が少し見えます。
ここへやって来る人たちはみんなハンモック持参。テラスで揺られながらのお昼寝は最高です。
バンガローはこんな感じ。Golden Beeは安宿なのでボロい&あまり快適ではありません。
同じ島内でも700バーツくらい出せば、きれいで快適そうな部屋がありましたよ。
私たちは貧乏&長期滞在なのでここでオッケー。
室内の様子。湿度が高く、蚊が尋常じゃなく多いので蚊帳を張って眠ります。
室内階段を降りるとトイレとシャワー。シャワーは、ホースから出る冷水のみ。
心臓の悪い方にはおすすめできません。
大容量のペットボトルを炎天下のビーチに置いて、温まった水を浴びる人もいます。
ちょっとしたサバイバルですね。
そして重要な情報なのですが、Golden Beeでは電気が一日4時間程度しか点きません。
暗くなり始める午後6時から10時くらいまでで、それが消えると敷地内にも街灯のようなものはありませんので、手持ちのライト必須です。
私たちも、夕食の帰りは真っ暗な道を照らしながら歩いて帰っていました。
この島にいる人たちは、不便なことに決して文句は言いません。
水が出ること、1日4時間とは言え電気が通ること、レストランで美味しい食事が頂けること、そして自然が目の前にあること。
十分すぎる恩恵です。
自国に戻れば、ずっと便利な生活ができるはずの欧米人が、毎年のように戻ってくる島。何もないけど、魅力十分です。
私たちも、そんな島で滞在するからには工夫をします。
いつもなら部屋の電気でお湯を沸かしてコーヒーを淹れるのですが、電気が来る6時までは直火しか沸かす手立てはありません。
というわけでさっそく燃料集め。湿度が高く小枝も湿気ているものが多いので手間がかかります。持
参したノートを破って着火剤にしたのですが、それすら湿っていてうまく着きません。
滞在数日目、大量の枯れた松葉を見つけました。着火剤としては最優秀です。ただしカップは松ヤニで汚くなります。
ブロックの間で火を起こし、上にカップを置きます。
穴を掘るより簡単で、最小限の火で沸かせます。お隣さんも誘ってコーヒータイム。
お腹が空いたので、食事に出掛けることに。
バンガローからお気に入りのレストランまでは1,5㎞。てくてくおしゃべりしながら歩きます。
もちろんゲストハウスにもレストランはあります。
飲食をした場合は、自己申告制でその都度帳簿に記入し、チェックアウト時に宿泊費と併せて一括で支払います。
高いので、コーヒー一杯しか注文していません・・・。
イカのプーパッポンカリー。バンコクで食べてから大ファンになったこのカレー。
まさかこんな離島で頂けるとは。
宿から1,5㎞の場所にあるこのお店の名前はSunshine。
二コラのお友達、タイ人のプーさんの彼女が経営するレストランです。ここが島で一番良心的な価格。
ミニマートも営んでいて、お菓子やフルーツ、飲み物を買うことができます。
もちろん、味も最高。
観光客がほぼ100%なので、食べやすい味になっているのだと思いますが、日本で食べるタイ料理に近い味で、とっても楽しめました。
今まで本当に色々なお店でタイ料理を食べましたが、その中でもここは最高クラス。
値段を考慮すれば、文句なしのナンバーワンです。この味を求めて毎日2往復、計6㎞の道のりを歩いていました。
Sunshineで頂いたおいしいお料理を紹介します。
お魚のソテー。カリっと焼いて甘辛いタレをからめたお魚はごはんが進みます。
エリンギにスナックエンドウ、シャキシャキの人参の食感も病みつきになります。
上と同じお魚を使ったパッタイ。
麺が私の知っているそれとは違うのですが、美味しくて何度もリピしました。
ピーナッツをたっぷり載せてくれるところも個人的にポイント高いです。
平たい幅広の麺、コティアオ (クッティアオ) 。この日はポークで。
キャベツ、ニンジン、ケールなど、お野菜たっぷりなのも離島では嬉しい。
シーフード炒め。お魚とアサリに、玉ねぎなどのお野菜たっぷりの一品。
ピリ辛でこちらもごはん泥棒な味。
シーフードパッタイ。イカとエビがたっぷり。具材は、エビ、イカ、チキン、ポーク、フィッシュから選べます。
材料は、本島から1日2回のボートで運ばれてくるため、たまに品切れの場合もありますが、そんなときは次回のお楽しみにとっておきましょう。
チキンの揚げ物。ガーリックがきいていておいしい。
でもだんだん飽きてくるので誰かとシェアしたり、ソースでアレンジつけるのがいいと思います。個人的にはお酒のおつまみ向きだと思いました。
またまたパッタイ。この日はポークで頂きました。
いや~美味しかった。お肉が柔らかくてすごく美味しかったです。
相方二コラが最もハマったのがこのラドナ。
ラッナと発音すると伝わりやすいかもしれません。
とろみのあるスープに数種類のお野菜、エリンギ、シーフードもしくはお肉が入っています。コティアオが少しだけ入っています。
かなりお腹いっぱいになりますが、消化に良い食材がほとんどなので、夕食にもおすすめです。
これもピリ辛で美味しかった、シーフードの炒め物。けっこう贅沢です。
バンコクで食べたら200バーツくらいしそうです。
他にも色々食べたかったのですが、おいしいものを何度もリピしたのであまり多くの種類を撮ることができませんでした。
洋食タイ料理合わせて80種類くらいのお料理があります。
ご紹介したものはすべて60バーツ。本島の屋台で食べると40くらいなので、少し高めかな?と思われるかもしれませんが、ボリューム・シーフードの新鮮さ・味どれをとっても納得の価格。
タイの屋台は、量が少なめ。それと比べて5割増しくらいなので、むしろ60バーツでは申し訳ないくらいに思えてきます。
パスタなどの洋食メニューは100バーツ。
腕がいいのでパスタもフレンチトーストもおいしいのだそう。
もっと長く滞在していたらトライしたかったのですが、タイ料理が美味しかったので、滞在中の12日間はそれで満足でした。
ここでは定期的にイベントを行っています。
ブッフェにライブ音楽、スタッフのダンスショーなどがあります。
村の発表会といった感じですが、大勢の人が集まっておしゃべりしながらお酒を飲んで音楽に耳を傾けます。
ブッフェはサラダやカレー、各種タイ料理に焼き立てパンがあります。
右に置いてある大きなケーキは、私たちの隣のコテージのスペイン人、シャビが焼いたもの。
ブッフェは一人100バーツ。飲み物は店内の冷蔵庫から取ってその都度購入。
笑顔が素敵な店主のテン。自己流の手作りパン。
副店主 (仮) のマカーン。スタイル抜群の17歳。イベント時は制服など色々なコスプレショーでおもてなし。
普段はこんな感じ。
人がたくさんで大盛り上がり。普段8時就寝の私たちは睡魔に勝てず、ショーの途中で退散しちゃいました。
翌朝。
焚火大好きな私たちは、田舎に来ると火を起こしたくてウズウズします。
夜の4時間ほどしか電気が使えないという事情もあり、毎日数回、火を起こします。
毎朝日の出と共に目を覚まし、モーニングコーヒーのために火おこし。
犬よ、なぜ目の前で寝る。
火を起こすために仰ぎまくっていたため、犬の顔には大量の灰。
それに気付き、寝返りをうつ (それでも移動はしない) 犬。どっかよそ行きなよ・・・。
この島には、人懐こい犬が多いです。撫でたりエサをあげる旅行者が多いのかもしれません。
私たちは一度もあげたことはありません。
けっこう吠えるし、犬同士よくケンカしているので、威嚇用に長い棒を持ち歩く旅行者も多いです。
コーヒーを堪能したあと、火種が残っていたので、ふと思いついて落ち葉を燃やすことに。
落ち葉の上には雨水が溜まり蚊が大量発生します。落ち葉一掃&煙で蚊を寄せ付けない作戦。
結構楽しくなってきたので、さらに集めます。
客なのにスタッフより熱心に掃除するあたりがヒマ人ですね。
堆積していた落ち葉がすっきり。この日の夕方は心なしか蚊が少なかったような。
落ち葉と一緒に投げ入れた枝がいい感じに炭化したので、再度かまどに点火。労働のあとの炭焼きスルメは最高!
小まめにひっくり返すのがコツ
スルメに卵かけごはん用のお醤油とわさびをつけて食べる。タイの離島でなんという贅沢。
早起きするので早めにお腹が空きます。朝食はフルーツだけなので、お腹が空いて早めの昼食。
すると夕方早めにお腹が空くので夕食も早め。食べてばっかりです。
通常1,5㎞の道のりを、今日はちょっと遠回りして時間をかけて歩きます。
木から落ちたココナッツ。発芽しているのが分かりますでしょうか。
よくぞこの固い殻を突き破って・・・・。
成長するとこんな感じになります。この時点ではまだ根付いておらず、種から栄養をもらっている状態。
その隣にはこんな木が。すごい形です。木登りを全力で阻止しているような。
木漏れ日が差し込む道を過ぎると
蓮の花がいっぱいの池
カシューナッツも実り始めています。
たくさん生っています。なかなかお目にかかれない姿ですが、収穫がもう少し先なのが残念。
腎臓みたいな形の部分がカシューナッツの種。
枝とナッツの間、色の濃い部分が大きく膨らんで実になります。
実の外側に種がなる、珍しい植物です。花はとってもいい香りがします。
数年前にインドネシアのトバ湖に行ったときもたくさん見かけたのですが、同じく収穫の1~2ヶ月前でした。
3月頃に収穫期を迎える地域が多いみたいですね。
この島はかつてはゴムの木の栽培も盛んでした。
ピントがずれて分かりにくいですが、ゴムのしずくが一滴落ちようとしています。
表面は多少乾いていますが、その下はミルクのような液体。
触った感じも薄めたミルクのよう。指に付くとすぐに乾いて膜が張ったようになります。
その昔、天然ゴムは多くの死者を出すほどのビッグビジネスだったのですが、合成ゴムの開発により衰退。
この島で収穫されたものは、以前は1kg100バーツで取引されていたものが、現在は1kg18バーツにまで下落しています。
運送コストなどを考慮するなら完全に赤字です。
まだわずかに収穫を続けている農家もいますが、ほとんどはゴムが容器に溜まり固まったまま放置されているか、これ以上流れてこないよう、上の写真のように流出を止める薬剤を塗布しています。
マレーシアのクアラカンサーで見た、マレーシア最古のゴムの木と、ゴム事業にまつわるストーリーを思い出しました。
きれいな色の花を発見。どこかで、よく似た色違いの花を見たぞ!と思って撮ったのですが
写真を見返したら全然違いました。これは北海道礼文島に咲いていたもの。
あちらは高山植物、こちらはトロピカルフラワー。
よく考えたら全く違う環境でした。でもどちらもきれいですね。
自然がこんな奇抜で綺麗な花を咲かせることに、いつも驚かされます。
花が終わると、こんな真っ黒な鞘が。
もはや地球上のものとは思えない、独特すぎる姿の花。
寄り道しすぎてようやく夕食にありつく頃には、日も暮れかけお腹ペコペコで倒れそうでした。