苦労の末に辿り着いたモンテネグロの古都、コトル。到着の翌朝、疲れた体を無理矢理起こして、この町のメインであるコトル城を目指します。
門の手前にあった旧水道。お水を忘れても、ここで補給できます。
南側の門は旧市街の真ん中ら辺から行けます。私が滞在していたHostel Centは北側の門のすぐそばだったので、迷わずこちらからスタート。
ポドゴリツァで知り合った中国人から、8時前に来れば無料だよと聞いていたので、8時ちょっと前にきたのですが、ゲート壊れてました。8時以降も門番らしき人が来るようすはありませんでした。
細かいことは気にせず、出発!
出発!してすぐに、ひらけた場所に出てきたので、ピザを食べようと休憩。まだ歩き出して5分くらいでしたが、せっかくホステルの電子レンジで温めたので熱い内に食べることに。
いやぁ、すでにいい景色。色んな人が頂上まではけっこうキツイと言っていたので、正直もうここでもいいかなとか考えていました。
食べていたら野良猫がミャーミャーうるさかったのでピザをちぎってあげました。
まだ欲しかったらしく、通せんぼ。もう食べちゃったよ~ごめんね。
気を取り直して出発。やっぱ食べて良かった。お腹が減っては城に登れず。
救世少女教会。この時間は閉まっていました。
この辺りでフィリピン人の若い男性に声をかけられ
「日本人?さっきすれ違った人が、あとから日本人が来るよって教えてくれたから」
あぁ、ピザ食べてるときに少し話したドイツ人のおじさん。奥さんが日本人なんだとか。
「そう。日本行ったことあるの?」
「うん。日本でショッピングするのが大好きなんだ。渋谷のタワーレコード最高!」
「へ~ところで頂上まで登った?」
「ほとんどね!」
という会話をして別れました。
東京で買い物するのが好きなんて・・・ヨーロッパまで来るくらいだから相当な富裕層だな。
しかも頂上まで登れてないって、ボンボンらしく体力もない。とかどうでもいいことが頭をよぎる。
このあとも何人かの人とすれ違いました。
道を譲り合い、笑顔で挨拶を交わします。朝は人も少なくてのどかです。
頂上は300mの高さらしいです。こんな所まで石を積むのも大変だったろうな。
コトルの旧市街に、この日最初の陽光が届きました。その向こうに大きな客船が見えます。
船着き場へ向かっているようです。
団体で来るかもしれない。人が押し寄せる前に登ってしまおうっと。
少し登っては撮影。
客船が船着き場のすぐ近くまで来ました。まぁ混んできたら下りればいいか。
トタンの橋が架かっています。
なぜかテーブルと椅子が。でも床が抜けているので危なそうです。
半分くらいは登ったのかな、と思った所で、道がなくなりました。え・・・ここ?突然の頂上。
旗も立ってるし、さっきのドイツ人のおじさんもいました。こんな楽なの?と信じられず。
GPSで見ると、確かに頂上にいる・・・。みんなこれをヒィヒィ言いながら登ったのかな。
普段からトレッキングとかしている人でも相当キツかったとか聞いたからちょっと気合入れてきたのに、まさかの不完全燃焼。
まぁ、ずっと日陰を歩いたから楽だったのかな。
そう言えば、カッパドキアで自転車レンタルしようか悩んでいるとき、地球の歩き方の編集者さんが「普段トレーニングしている人でも後悔する。
それくらい自転車はキツい」って言っていたコースを歩いて踏破したっけ。
しかも、体力自慢の中国人が付いてきて、炎天下に耐えられず途中でバテてリタイヤしたっけ。
彼を残して私たちはロッククライミングしてたっけ。
さらに、夕陽を見ようと思って早めに出かけたら、早く着きすぎて夕方まで待てず、予定の4時間も前に帰ったっけ。
意外と体力あるな、自分。そういうことか。
あぁでも、向こうの山の方が高いかな?
とりあえず、景色は素晴らしいです。陽があたるとあったかくて気持ちいい。
パノラマ撮影。あのピンク色のゴミ袋、どうにかならないのかな。ポイ捨てしないように置かれているんだろうけど。
風は強いけど、青空だと街もよりきれいに見えますね。
ポドゴリツァのホステルオーナーがくれたザクロを頂きます。何回か休憩すると思って2つも持ってきたのに食べる間もなく着いてしまいました。けっこう重いのに無用の長物に。
部屋に明かりが灯っているように見えます。人が暮らしていた頃は、夜になるとこんなふうに窓からランプの明かりがもれていたんでしょうか。
ここはあったかい。ここで野宿なら割と快適かも。見つかったら絶対怒られるけど。
10時近くなってようやく街全体に陽が差しました。暑くなる前に下山します。
こうして見るとけっこう急なのが分かります。人通りが絶えた瞬間を見計らってダッシュで駆け降りるのが危ないけど楽しかったです。
苔むした階段。
けっこう降りてきました。このあと、道がなくなったので引き返しました。
救世少女教会の裏まで降りてきました。十字架に光が差して神々しさを醸し出しています。背景がまた素敵ですね。
教会はお土産物屋さんみたいになっていました。中は普通の教会っぽかったです。中にピントを合わせたら手前がボケちゃいました。
なんとなくただいま。
帰りは別のゲートから出ました。たぶんここが正門。ゲートも壊れておらず、門番がいました。
ここから入る場合には8ユーロ支払う必要があります。
午後8時~午前7時までは入場禁止と書いてありますが、普通に人が通れるくらいの隙間があります。
たぶん、中国人が言っていた「8時前に (実際は7時前だった) 行けばタダ」ってこういうことですね。
私が通った北門なら、すでにゲートは壊れていて、上記の時間も人はいなかったのでいつでも無料で通れると思います。
もし、門番がいた場合は、ちょっと遠回りですが、別ルートもあります。
こちらは初めからゲートが設置されておらず、地元の人はこちらを通っているようです。
地図で見ると、このルート
赤い矢印のどちらからも行けます。下の矢印が、私が実際に通った方 (ゲートが壊れている場所)
上の矢印は山道です。
山道からのぼるためには、いったん旧市街の外に出ます。
ショッピングモールのある通りに出ます。モールを背にして山へ向かって歩きます。
一番上にサインがありますね。この先から入れます。私は行かなかったのですが、行きと帰りでルートを変えることもできるので、より楽しめそうです。
コトル城の入場料を無料にする方法は
- 門番が来る前に入ってしまう (南側は一応7時前の入場禁止。北門は門番がいなければ無料)
- 山道から入る
のふたつです。
2018年に3ユーロから8ユーロに値上がりしたので、高いな~って思う方はこの行き方でどうぞ。
旧市街に戻ります。
狭くて入り組んでいます。道が真っすぐではないので、一本通りを間違うとかなり遠回りになってしまったりします。
でも中世の街並みに迷い込んだ感がなかなかいいです。
広場を目いっぱい陣取るレストラン。ハイシーズンには賑わうんだろうな。
お土産物屋さんは小さくて可愛らしいのが多いです。
見上げたコトル城。下からだとやっぱりすごく高く見えます。
聖トリプン教会。
コトルでは一番大きな教会です。1166年建築は分かるんだけど、2016は何を表してるんだろう?地元の人に聞けばよかった。
けっこう賑わっていましたが、入場料がかかるようなので外からのみ。もっと大きくて歴史ある教会なら、ヨーロッパでいくらでも無料で見られるしね。
旧市街に似つかわしくないお店があるのも観光地ならでは。ボディビル風のポーズで立つ奥様。
ものすごくたくさんの人が写真を撮っていて、団体ツアーの添乗員がこの建物の説明をしていたので、歴史ある建造物なんだろうなと思います。不勉強なのでそれが何か分かりませんが。
時計台前のカフェ。陽があるとすごく暖かいです。日陰との差がすごいです。
ウェディングフォトの撮影。
ホステルで会ったフランス人のご両親が新婚旅行でコトルに来たって言っていたので、ロマンチックな場所っていうイメージなのでしょうか。
日本だと歴史ある建物でウェディングドレスが似合う場所ってあまりないし、新婚旅行ついでに撮っておくのも良さそうですね。
聖二コラ教会
入ってみました。
聖ルカ教会
このふたつの教会は隣り合って建てられています。
イタリア滞在中、二コラとルカ (二人は親友) が揃ったときにこの写真を見せたらちょっと嬉しそうでした。
ちなみに聖トリプン教会はカトリック系で、二コラ教会とルカ教会は正教系。
コトルはカトリック系と正教系のボーダーラインに位置する上、ヴェネツィア共和国に400年ほどの長い間支配されていたこともあり、カトリック系を信仰する人が多数。
同じモンテネグロでも、首都のポドゴリツァは正教系がメインです。
今は使われていないようですが、窓の前に物干し竿や板がかけられるようになっています。
階段脇の腰かけほどの高さに窓がありました。おしゃれだな~と思って見ていると
猫を発見。日当たりもよく、気持ちよさそう。一枚の絵画のようです。
石垣の隙間から顔を出す花。可愛らしい。
石畳はめちゃくちゃ滑ります。雨の日は大変そうです。
上に上がってみます。
壁の向こうはキラキラ太陽。一気にリゾート地っぽい景色になります。
要塞都市だったことがよくわかるこの急斜面
石段は真ん中がへこんでいて、たくさんの人が通ってきたことが分かります。
そこら辺に腰かけてお茶を飲む女性。さり気ない光景が絵になります。
路地の至る所に、歩き疲れた時の憩いの場があります。
こちらは壁に直接テーブルを設置しています。世界遺産なのにいいのかな・・・。
旧市街の外から。ヴェネツィア共和国のエンブレムがあるのですが写真を撮り忘れてしまいました。
外壁に沿って歩きます。
この位置からはコトル城は見えず。
外壁の下にマーケットがありました。この時間はほとんどが店じまいしていたので見られず。
朝に食べたピザから何も食べていなかったので、こちらの有名なお店で遅めのランチにしました。
Tangjaというバーベキューレストラン。ミックスBBQ 7.5ユーロを注文しました。
ボリューム満点!チキンはジューシーさに欠ける感じでしたが、ビーフは柔らかくて食べ応えがありました。サワークリームの隣のソースも好みでした。
https://goo.gl/maps/8s1PNiTp2w82
反対側の街はすでに陽が落ちて暗くなっています。谷間の街って日照時間短すぎて色々大変そう。植物は育ちが悪そうだし、洗濯物も乾かないし。
反対側の街まで行ってみます。右がコトル。こちらも影が広がり始めています。
コトルの向かいにある町はMuoという名前。住宅街のようですが、ひっそりしていて、すれ違う人もほとんどいません。
コトル側の山はまだまだ日が当たっています。それでも日照時間5~6時間といったところでしょうか。短いですね。
帰りにバスターミナルに寄り、バールまでの時刻表をチェック。ここから国外行きのバスも出ています。オーストリアまでも行くんですね。
バスターミナルとコトル旧市街は徒歩10分くらいの距離です。昨夜ここで降りて、全然旧市街っぽくなくて焦りました。
焦ってバススタッフのお兄さんに大迷惑をかけた話はこちら
夜になり、夜景を見ようと再びコトル城を目指します。私有地なのか、通行止めになっていたので、別の道から上がります。
オレンジ色の明かりがとてもきれいです。豪華客船も夜景の一部になっていますね。頂上まではかなりありましたが、満足したのでここで引き返すことに。
つるつるの石畳に街灯が反射して光の道ができています。
夜の街を散策。人通りが多く、とても安全な雰囲気です。
不気味な教会の扉。
聖トリプン教会のライトアップ。
聖二コラ教会もライトアップ。
猫の看板の前に佇む看板犬。
このあと太った女性がどけどけ~とばかりに袋を振り回しながらドスドス歩いてきたので犬が逃げてしまいました。
隅々まで回れたかは分かりませんが、色々見られてたのしかったです。
旧市街の夜は、どこを取っても雰囲気があって素敵でした。
ローシーズンの街は夜がさびしいです。空いてていいんですけどね。
明日もたくさん歩く予定なので、早めに宿に戻ります。おやすみ、コトル城。