インドネシアに行く飛行機を泣きそうな気持ちで見送った私たちでしたが、乗れなかったものは仕方がない。
旅に必要なのは柔軟さだ。
気持ちを切り替えてほかの便を探すのだ。
ベネチア空港から出る飛行機はどれもめちゃくちゃ高かったので、ボローニャ空港から出るトルコ行きの飛行機をとりました。
ボローニャは、ベネチアから南へ下った都市。
トルコのLCC ペガサス航空が就航しているので、トルコへの格安便が見つかりやすいのです。
私はイスタンブールには行ったことがあったので一旦スルー。
イスタンブール空港からそのまま乗り換えカイセリ空港へ向かいます。
トルコ人の友人からの情報で、カッパドキアを目指すなら最も便利なのはカイセリ空港ということは分かっており、またカイセリという街にも興味を惹かれたので、カイセリシティに寄ってからカッパドキアへ向かうことに。
まずはバスでベネチアサンタルチア駅まで。
すでに280ユーロを損しているので、バス代8ユーロは痛いけど、なかばヤケクソな気持ちでいました。
サンタルチア駅からボローニャ駅まで快速電車約1時間半。
ボローニャ駅から空港までは直行バスも出ていますが、時間があったのでカフェ休憩を挟みながらローカル電車と徒歩でボローニャ空港に向かいました。
ボローニャ駅からBorgo Panigale駅まで電車、あとは徒歩20分で空港まで行けます。
イスタンブール空港からカイセリ空港までは飛行機で1時間程度。
カイセリ空港は静かで、夜は照明が落とされるので、ベンチでゆっくり眠れました。
カイセリの人々の笑顔と優しさに癒される3日間
夜が明けたらすぐにカイセリ空港を出発。市内を目指します。
空港の敷地を出ない内に、近くをゆっくりと進む1台の車が視界の端に映りました。そちらを向くと、運転手が私たちの方を見ながら停車。
もしかして乗せてってくれるのかと駆け寄る私たち。
ドライバーに、
「カイセリシティ」
と伝えると、
「No..カッパドキア・・・」
との答え。
一気にカッパドキアへ向かうチャンス?と心が揺れましたが、カイセリ市内を見てみたかったのでお礼を言ってお別れ。
カッパドキア直行のバスも出ていますが、カイセリ空港からレンタカーでカッパドキアへ向かう人が多いようなので、ヒッチハイクもありですね。
というか、空港職員さんも親切だったし、ターミナル出てすぐ乗せてくれようとする人がいたり、トルコ来たの二回目だけど、前回思った以上にいい感じの国だ!
空港の敷地を出てすぐ、1台のバスを見つけました。飾り気がなく、いかにも市バスと言った感じ。
2人の男性がバスの前に立っていたのでカイセリシティ?と聞くとあいまいに頷く運転手らしき人・・・。
でも、たぶん行くだろうと思い、いくら?とこれまた英語で聞くと、「乗りな!」みたいなアクションをされたので、こわごわ乗車。と同時に発車しました。
その後、次々に乗客を乗せながら市内に近づくバス。
なんか中心部ぽい?と思い始めたところで運転手さんが目で合図したのでお礼を言って下車しました。
てか、バス代払ってないけど?
来たばっかりの旅行者をぼったくるどころかタダで乗せてくれるってどんだけ優しいんですか。
この時点で、カイセリの人が親切な確率100%です。
降り立ったのは、こんな感じの場所。
向こうに見えるのはカイセリ城です。
よく手入れされた花壇、ゴミが落ちておらず、デコボコしてないアスファルトの道路。とってもきれいな先進国の街っていう印象を受けました。
まずは朝食。
早朝で開いているお店は少なそうだったので、適当でいっかと最初に目に付いたカフェへ。
パンとコーヒーを注文。トルココーヒーが出てくると思いきや、インスタントコーヒー。ちょっとがっかり。
外国人だから気を使ってくれたのだろうか、でもお会計の時、ウエイトレスさんが「コーヒーはネスカフェ!」って強調していたから、値段が違うんでしょうね。
トルコも、多くのアジア諸国と同じく、ネスカフェインスタントコーヒーの方が高級という扱いのようです。
せっかくだからトルココーヒー飲みたかったねと言いながら宿探し。
いかにも安そうな宿を見つけたので訪ねてみました。
おじいさんが対応してくれ、20リラ札を見せて、私たちそれぞれの前に向ける。1人20リラということらしい。
トルコでは、一部屋いくらではなく、1人いくらという料金システムの宿もあるようです。
じゃあ二部屋とった方がよくない?
泊まったのはHOTEL HUNAT。
お世辞にも清潔とは言い難い、ベッドシーツも明らかに替えていない、そしてでかい蚊のような気味の悪い虫が無数に壁に止まっているという三重苦を背負ったような宿。
ちなみにWi-Fiもありません。
聞かなくてもなんとなく分かってたけどね。
ただ、宿のオーナーはとても親切。英語は一切話せませんが、一生懸命話しかけてくれます。
リビングで私たちを見かけるたびにチャイ?と聞いてくれ、一階のカフェに注文してくれます。
一階はカフェになっており、オーナーの息子さんが経営しているようです。
息子さんが私たちのために日に何度もチャイを運んでくれます。
チャイの代金は一度も請求されませんでした。
20リラ(600円弱)の宿泊費にチャイ飲み放題がついてくるのはすごいです。
トルコは西アジアの中では物価が高いので。
地図で見るとこの辺り。
このエリアでは老舗と思われますので、聞けば分かると思います。素敵な広場が目印です。
すぐ近くにMigros というスーパーマーケットがあり、食品などこちらで購入できます。街の中心部なので不便はありません。
荷物背負っての宿探しはきついので、今夜はここで妥協し、念のため他も見て回ることに。街へ繰り出しました。
モスク前の足洗い場。
ターコイズブルーがきれいですね。
眺めていたら、地元のおじさんたちが「どうぞ入って見て」というように笑顔で手招きしてくれます。
ここでやんちゃそうな物乞いの子供たちに囲まれかけたのですが、おじさんたちが追い払ってくれました。
それからどうぞゆっくり見てというように笑顔で招き入れてくれました。
観光客に優しい街だ。
中もきれいなタイル張り。礼拝前に足を洗うだけでなく、強い日差しを避けるために座って休む人も。
西アジアのデザインって神秘的で惹かれます。
空気は乾燥していて、日差しが強いです。9月初旬、まだまだ夏真っ盛りといった感じ。
青い空と白い雲、赤い国旗に黄色いマリーゴールドと、原色の景色。
それにしても、道が広い。そこまで大都市というわけでもないのに、片側3車線もある。
大通りを挟んだカイセリ城の向かいにある共和国広場です。
日陰が無いので昼間はあまり人があまりいませんが、夕方になると若者や小さな子を連れた人たちなどで賑やかになり、チャイを売り歩く人の姿も見られます。
記念撮影だって楽じゃないですこの日差し。チリチリ痛い。日陰を選んで歩かないとあっという間に顔が真っ赤に。
アタトゥルクの銅像
アタトゥルクの像があります。
アタトゥルクは、オスマン帝国の将軍であり、トルコの初代大統領として15年の任期を務めた人物です。
トルコ独立戦争とトルコ革命の指導者の1人でもあります。
お店や一般家庭の多くはアタトゥルクの肖像画を飾っており、「彼は自分のヒーローだ」と誇らしく語るトルコ人に何度も出会いました。
歴史だけでなく人の心に残る偉人なんですね。
記憶にも新しいクーデター未遂のときには、市民が毎晩この場所に集ったとのことです。
モスクの周辺も国旗の数がすごい。
ただ国旗の数=市民の愛国心の強さでもないようで。
トルコの人は、国を誇りに思いながらも現在の政治には失望しているように感じました。
カナダにいたとき国旗をあちこちで見かけたから、さぞ愛国心が強いのだろうと思っていたら、
「カナダ人はアメリカ人と比べるとそれほどではない」
と言っていたし。
あくまでも私がお話できたごく一部の人たちの意見ですが、日本の外に出ると、国に対する思いは人それぞれなんだと、より一層感じますね。
インフォメーションセンター横にある霊廟。
日本で言う仏壇のようなもの。先祖や偉人を祭る場所です。
ちなみにインフォメーションセンターを何度か訪ねましたが、時間・曜日問わず中に人がいたためしがありません。
アテにしてたのですが・・。
もう少し街を巡ります。
こちらはかなり古いモスク前の足洗い場。積み上げられた石に歴史を感じます。
写真を撮っていたら男性が声を掛けてきました。
流暢な英語を話し、街を案内してくれるとのこと。
怪しいとは思いましたが、1人きりではないので少しだけ付いていくことに。
マーケットの中を少し案内してもらいました。
羊毛がたっぷりの一室に。もうお分かりでしょうが、彼はカーペット商のオーナーさん。このあと営業をかけられます。
カーペット&キリムギャラリーと書いてあります。
キリムは中央アジアで古くから使われている製法で作られた絨毯のこと。
お祈りの時に敷いたりもしますが、私の知人などはかなりハマって、インテリアやコレクション用にたくさん買い付けています。
さらに奥の小さな部屋へと通されました。事務室兼商談室的な部屋。
社長さんがアップルティーを持ってきてくれている間に記念撮影。
今見るとけっこういい感じの柄のものがいっぱい。
でもこの時は旅の始まり。何も買う気はありません。
彼は穏やかな口調ながらけっこう粘って交渉してきます。
二コラは荷物になるからとか、お金が無いとか言って断ろうとしますが、こういうときは、買わない理由を言う必要はありません。
理由を言うと、相手も「小さいやつなら軽いし荷物にならない」とか「特別価格で譲るよ」とか解決策を持ち出そうとします。
長くなりそうだったので、「がっかりさせて申し訳ないけど、買いません」と伝えると諦めてくれました。
お茶をごちそうになったことと素敵な商品を見せてくれたこと、案内してくれたことにお礼を言い、速やかに退散。
市場をもう少しゆっくり見てみます。
こちらは建物の中なので日差しをしのげます。
量り売りのナッツなど、種類は数え切れないほど。
店内奥に下がっているのがスジュクと呼ばれるソーセージ、その下はパストゥルマというハムのようなもの。
ムスリムの国なので、牛か羊、鶏の肉。
いずれもスパイスをたっぷり使っているので深い味わいが楽しめます。
右上の長いひらひらしたものは乾燥させた腸なんだそう。
ソーセージ作りには欠かせません。
人気のお店みたいです。
こちらはソーセージのほかにドライフルーツやスパイスもたくさん。
長期滞在するならぜひともここで買い物したいです。
ビニール袋に入れて立ててるだけ。無駄のないディスプレイにうっとりします。
問屋さん並みの量ですが、これでも個人の小売店。
カシューナッツやくるみは日本と同じく少しお高め。ひまわりの種は安い!
見たことのない独特な形の調理器具が多くて興味を惹かれます。
買い物するお母さん。柄物の服とナッツの山が異国情緒たっぷりで絵になります。
お腹が空いたのでひと休み。やっぱり安くておいしいのはケバブ。
通りのケバブ屋さんに入りました。
マーケット周辺で食べたものは5リラ、こちらは3,5リラと格安。
その分具が少ない気もしますが、ひとつでそこそこお腹いっぱいになれます。
中のお肉は、チキンかビーフが選べるお店が多いです。
ビーフがおいしいんですが、お店によっては値段が倍近く違います。
貧乏バックパッカーにとっては、5リラと10リラはけっこうな差。
トルコはインフレが続いていますので、数ヶ月後にはこの値段も大幅に上がっている可能性が高いです。
日本円に換算するとむしろ安くなってたりするんですけどね(笑)。
暑いですがまだまだ歩きます。
色んなところにマーケットが点在しています。駅周辺には日本のような地下街もありますよ。
こちらはアーケード街。
ゴールドアクセサリーのお店が多く、目が痛くなります。
アーケードのど真ん中に水飲み場。床は水浸しですが、ありがたいです。
陽が傾いてきました。過ごしやすくていいですね。
ここにも水飲み場。
宿のすぐ前のモスク。礼拝の時間帯を除けば、見学はいつでもOK。
地元の人たちがどうぞどうぞと言ってくれます。
女性はスカーフで髪を覆って入りましょう。
大きなモスク以外で強要されたことはあまりないのですが、郷に従う方が歓迎されるのは事実です。
小さなモスクはシンプルな造りです。
アザーンと呼ばれる礼拝の合図のあと、コーランと数珠らしきものを持った男性方が続々と入っていく様子が見られます。
ここにも水飲み場が。
街から見える山から流れる天然水だそうで、地元の人も普通に飲んでいました。
夜、寝ていると痛みで目が覚めました。
壁の至るところに張り付いていた蚊が一斉攻撃を仕掛けてきました。
昼間は至って大人しく、すぐ近くに寄っても微動だにしなかったのに、夜になって活動を始めたようです。
もうこうなると全然眠れません。
痒い上に、この汚い壁やトイレに張り付いていた蚊だと思うと気持ち悪くてたまりません。
二コラを起こして蚊帳を借り、ようやく浅い眠りに就くことができました。
翌朝、朝食を買えるところを探していたら、すぐ角にパン屋さんがありました。
昨日は気づきませんでした。
午後の早い時間で閉めてしまうようです。
ピザと呼ばれているらしい平たいパンを購入。
たったの1リラ、28円。2人で分けてちょうどいいサイズでした。イタリアから持ってきたチーズとサラミを挟んで頂きます。
安いのに美味しいパンでした。
宿のすぐ前は芝生が広がりゆっくりできます。
こちらの小さな椅子に腰かけると近くのカフェの人が注文を取りに来てくれます。
席に着く前に注文しておくと早いです。
木陰でチャイを飲みながらおしゃべりを楽しむのが彼らのライフスタイルの一部。
平日の午前中からこんな感じなので、この人たちは一体いつ働くんだろうと気にならないでもないのですが、人のこと言えないのでただ微笑ましく見ていました。
公園にはとてもきれいな花が咲いていて癒されます。
見とれていると、ちょっとマリオっぽいおじさんが話しかけてきました。
彼がここのメンテナンスをしているのだそう。
誇らしげに写真に写ってくれました。
このあと彼も数珠を持ってモスクへと入っていきました。
キリスト教の人にとって、日曜の礼拝は社交場の兼ねていると聞いたことがあります。
その繋がりで仕事を世話してもらったりとか、色々あるみたいです。
イスラム教にそういう背景があるという話は聞いたことがないのですが、礼拝に行かないと和の中に入れないとかあったりするのでしょうか。
まぁ、商売している人で礼拝に行かないのは売上に影響がありそうですけどね。
おじさんを見送りながら、私たちは市場で買ったチーズを食べました。
午後は宿のオーナーとお昼を食べることになっています。
昨日、イタリアのピザの話をしていたのですが、「トルコにもピザがあるよ!」とごちそうしてくれることになったのです。
2時に宿で待つことになっていたので、一度戻ります。
手前にある長いものがトルコのピザ的な食べ物、ピデ。
もちっとした薄い生地に、味付けされたマトンの挽肉と野菜が載っています。レモンを絞って食べてもおいしいです。
右に写っている口髭のおじさんがオーナーさん。
お隣はアンタルヤから休暇で来ている従弟。
英語ペラペラなのでずっと通訳してくれていました。
おかげでオーナーさんとコミュニケーションがとれました。言
葉が分からなくても、いい人であることは何となく分かりましたけどね。
ここの宿帳には、日本人からのメッセージがたくさん書かれていて、何て書かれているの?と興味津々でした。
一部、Wi-Fiや清潔さに関して不満の声があるものの、総じてオーナーの人柄の良さについて書かれていました。
この人の存在がホテルの七難隠していると言えますかね。
仕事は?と聞かれたのでホテルのフロントと答えると、同じだ~!と喜んでいました。そして一緒に記念撮影。
トルコ全体で日本人旅行者が激減しているという話を聞きました。
ここ数年だけでもトルコでは色々起きていますからね。
もちろんトルコに限ったことではありませんが。
私も十分注意して旅行しなければと思っています。
さて、明日はもうカイセリを出発なので、もう少し街を歩こうかな。
靴磨き屋さんの道具。持ち主のいない間に撮らせていただきました。
磨いているところは興味深いけど撮影するのはやめましょう。
ほぼ100%怒られます。
最も低い地位の仕事という位置付けだからだと思いますが、お客さんも当然良い顔はしません。
カイセリは二晩しか滞在しなかったのですが、とてもいい印象が残りました。
石造りの城壁を望む夕暮れ。
場所によっては人込みがすごいのですが、ここは静かでいい感じです。
翌朝、角のパン屋さんで同じ「ピザ」を買おうとした私たち。
朝早かったのでまだできてませんでした。
バケットしか無いとのことだったので、それでいいよと伝え、1リラを手渡しました。
すると、40クルシュのお釣り・・・。
ちょっと待って、このバケット、60クルシュ(0,6リラ=18円くらい)ってこと?
もう、安すぎて笑っちゃいました。
写真撮るの忘れましたが、まぁまぁの大きさです。
35㎝くらい、ちょっと太めなのでちょっと具材をはさめば2人ともお腹いっぱい。
あとで分かったのですが、トルコはパンが安くて美味しいことで知られています。
いわゆるフランスパンの表面カリッをなくしてモチふわ感をアップさせた感じです。
とても美味しいです。
朝8時と、オーナーの出勤時間より早めに宿を出た私たち。
残念ながらお別れの挨拶はできませんでしたが、またカイセリに来た時は必ずHUNAT HOTELに泊まろうと思います。
カッパドキアまではヒッチハイクの予定ですが、二コラが都会の真ん中でするのは自信がないとの事でしたので、トラムで郊外まで移動することにしました。
トラム乗り場ではチケットを買うことができません。
数十メートル先にあるキオスク的な場所で買う必要があります。
変わったシステムですね。
ヒッチハイク失敗したとき(笑)のために、バスターミナルに一番近い駅で下車。バスターミナルまで1,5㎞ほどの道のりを歩きます。
正直言って、歩く時間考えたら駅から車つかまえ方が早いんでは・・・と思いながらも歩きました。
バスターミナル前に到着。
イスタンブール空港で食べたバーガーキングの敷き紙の裏に「Göreme」と書いて大通りに立ちます。
Göremeはギョレメと読みます。
ギョレメ村がカッパドキア観光にもっとも便利な場所。
信号の近くにも関わらず、通る車全て猛スピード。
ヒッチハイカーに目を奪われたら最後、猛烈に追突されそうな勢いです。
炎天下で誰も停まってくれる気配がないため、二コラの心が折れかけていました。豆腐メンタルな男はこれだから困る。
その後、途中、警察に注意され移動(するふり)をしようとしたその時、一台の車が停まってくれました。
英語は全く話せないのですが、30代の男性です。
身振り手振りで何か言っています。
推測するに、「彼はギョレメ手前のアバノスという所に行く。途中までだけどいいか?」
少しでも進めば、その後も車がつかまりやすくなることは確実なので、喜んで飛び乗りました。
なぜか、私たちを注意した警察官も乗り込みます。
後でわかったのですが、彼は、このドライバーが信用できる人物か確かめるために同乗したようです。
そもそも、ヒッチハイクは危ないからバスに乗れと言っていたのですから、私たちの身を案じてくれていたのです。
しばらくして警察官は降りていき、ドライバーのオスマンさんと話をすると、どうやらミツビシか何かのカーオーディオを送ってほしいとのこと。
壊れたから取り寄せたいけど自分ではできないのだそう。
自分がお金を送る、君はこれを送ってくれ、というようなことを言っていました。
全て私の推測ですがたぶんそういうことだと思います。
名刺をもらい、電話してくれと言いますが、電話を持っていないのでできません。
Facebookを教えてもらったのですが、結局見つけることができません。
念のためこちらのアカウントも伝えたのですが、リクエストされず。
まぁ、これも一期一会です。
旅で出会った人と再会できる確率なんてとてもとても低い。
オスマンは、ギョレメに入る手前の大通りで降ろしてくれました。
今日はとても忙しいからここまでだ、みたいなことを言っていたと思います。
とても忙しいのに乗せてくれて本当にありがとう、オスマン!
降ろしてもらった場所から目的地までは、まだ6~7㎞あるようです。
とりあえずギョレメ村方面に歩きながら、車の気配を感じるたびにGöremeと書かれたバーガーキングの裏紙を掲げます。
ほどなくしてとっても明るそうなご夫婦の車が停まってくれました。
可愛らしいワンコもいて、10分くらいでしたが、楽しい車内でした。
この日はちょうど犠牲祭が始まる前日だったので、トルコ中の人が里帰りや休暇を利用した旅行などで大移動していました。
とてもとても当日のバスに空きがあるはずがなかったことを後に知りました。
とにもかくにも、カッパドキアに到着です!