ビザチェック、搭乗券印刷は必要?手荷物は結局どれだけ持ち込めるの?
LCCの価格競争が激化の一途をたどる昨今、ヨーロッパやオーストラリアで活躍する超格安航空会社と言えばRyanair (ライアンエアー) 。
→ https://www.ryanair.com/gb/en/
しかし日本語の公式サイトが無い上、色々と面倒なステップが多く、手違いで高額の追加料金を取られるリスクもあるこの会社。
旅慣れない方には予約するのが不安なことも多いのではないでしょうか。
予約や搭乗の方法、搭乗券の印刷やビザチェックなどについて、誤った情報が多いので、最新の情報をこちらに記載します。
この情報は2018年9月17日の改悪後、実際に搭乗した経緯に基づき正確な情報をまとめたものです。
9月30日搭乗時点及び公式サイト確認での最新情報です。
ただし航空会社の規約が今後、いつどのように変更されるかまでは調査しておりませんのでご了承ください。
まず、航空券予約まで。機内食や預け荷物、ホテルの予約などおぷは他の航空会社と変わりありません。
ネット決済後に予約確定のメールが届きます。
ここからウェブチェックイン、そして搭乗までの流れです。
※ライアンエアーの公式アプリからチェックインしています。
My Tripsから、メールで送られてきた予約番号とメールアドレスを入力して Get my bookingをタップ
上のような画面に変わります。Itineraryをタップすると下のような旅程表が表示されます。
オプションを何もつけていないので、基本料金のままです。
右のCheck-inをタップ。
出発時刻より48時間前ならこのままチェックインが可能です。
それより前の場合は有料で座席指定が必要になります。
好きな席に座りたい場合または連れと隣同士になりたい場合は座席指定が必要であること、選択しない場合は無作為に選んだ席になり、連れと隣同士にはなれない可能性があること、出発の2日前にならなければチェックインできないことが記載されています。
出発時刻の48時間以上前でも、座席指定をする場合はContinue をタップすればチェックインできます。
しない場合は出発時刻の48時間前まで待ちます。
座席指定はすべて有料です。一番安いものでだいたい4.3ユーロ (当時のレートで570円くらい) です。
一番前の席は、足元が広く、着陸後最初に降りられるというメリットがありますが、3000円近くかかります。高いですね。
この時私が購入したハンガリーブダペスト空港からイタリアのトレヴィ―ゾ空港までの航空券自体が1884円。1000円台で海外旅行ができるってすごいですよね。
座席指定をするとせっかくの格安航空券の良さが半減してしまうというもの。それでも座席指定するのには、好きな席を決められる以外のメリットがあります。
それは、60日前からウェブチェックインができることです。
早めにチェックインしておけば、直前で慌てたり忘れる心配がありません。予約した時点でチェックインも済ませておけば一安心。
ひとつのリスクは回避できたと言えます。
ウェブチェックインは、乗客自身であらかじめ行っておく必要があり、仮にウェブチェックインをしないまま空港に行ってしまうと、55ユーロ、つまり7200円以上を徴収されてしまうのです。
航空券よりはるかに高くつきますね・・・。
ウェブチェックイン自体は出発時刻の2時間前まで可能なので、空港に着いてから気付いてもまだ十分間に合います。
ただ、無事にウェブチェックインが出来たとしても、自分で搭乗券を用意できない場合、カウンターで再発行 (自分で以前発行したかどうかに関わらず再発行扱い) してもらうことになります。
この再発行手数料が20ユーロ。やはり安さが魅力のライアンエアーなので、不要な追加料金は避けたいですよね。
ライアンエアーがおすすめしているのはFlexi Plus というオプション。
こちらに加入していれば空港チェックインが追加料金なしでできます。そのほか、座席指定や手荷物2個の機内持ち込み、優先搭乗、搭乗時間の変更手数料などが無料となります。
まぁ、このオプションつけるくらいならLCCでなくても・・・という気はします。
もし座席指定をしない場合は?
座席指定しなければ追加料金はかかりません。ただし、ウェブチェックインできるのが出発時間のわずか48時間前。
私が実際に予約した最近のものですが、予約した2018年8月中旬の時点では、4日前から座席指定無しのウェブチェックインが可能でした。
しかし搭乗予定の9月30日の4日前である9月26日に実際にウェブチェックインしようとすると、それが48時間前、つまり2日前からに改悪されていたというわけです。
新ルールが適用されたのは9月17日。改悪の予定があるなら購入時に言っておいてくれなきゃ・・・。分かったのはすでに日本を離れたあと。
行ったことのない国々を回っていたので、ネット環境の良し悪しも、お店でプリントアウトが可能かどうかも分かりません。
出発の2時間前までにチェックインできなければ追加料金なので、オフライン状態が続けばアウトです。
それまでには空港に到着予定だったので、最悪、空港でネット繋げばいいやと考えていました。
なのでそれほど心配はしていなかったのですが、空港のWi-Fiの調子が悪くなることや、そもそもWi-Fiが飛んでいない空港も多々あります。
万一のことを考えるとやはり空港に着くまでにチェックインだけでも済ませておきたいところ。
チェックイン忘れでの追加料金を避けるために座席指定をする人も多いと思います。
これもライアンエアーが稼ぐための手口のひとつかもしれませんね。
実際、4日前にウェブチェックインしようとするとできませんでした。
下のように、座席指定画面に行かされます。
指定するまで次の画面に進めません。
48時間前~数時間前は、夜行列車で移動する予定でした。
野宿する可能性もあったので、ヤキモキしましたが、今さらチェックインすると負けた気がする(笑)ので、座席指定はしませんでした。
結局、野宿場所となったベオグラードの駅にフリーWi-Fiが飛んでいたのでチェックイン出来ました。
チェックイン可能な時間になると、「Get random seats」という箇所が表示されます。無作為に決められるので、どこの席になるかはお任せです。
メールウェブチェックイン後に表示されるバーコード付きの画面を印刷したらそれが搭乗券です。
搭乗口で提示します。
航空券の印刷が不要になる?
無事ウェブチェックインできたら、次は航空券の印刷です。
これが結構面倒なんです。
日本にいるなら自宅やコンビニで簡単に印刷できてしまいますが、海外だとどこで印刷できるか分かりません。
中級以上のホテルなら大体してくれますが、設備の整っていない安いホステルだとプリンターが無い場合も多く、けっこう困ります。
そこで印刷を不要にする方法をお伝えします。
まず、ライアンエアーの公式アプリをインストール。iPhoneでもアンドロイドでもインストールが可能です。
アプリ内で簡単にチェックインができ、QRコード付きの搭乗券が画面に発行されます。
こちらの画面を搭乗口で提示すればOKです。
ちなみに、下の方に書いてある「on board」とは、機内持ち込みのこと。「in the hold」は預け荷物のこと。
預け荷物と言っても、他の航空会社のようにチェックイン時ではなく、搭乗の直前に預けます。これもライアンエアー独自のルールですね。
チェックイン時に預ける荷物は「checked in」と記載されています。
私はiPhoneのWalletに入れていますが、スクショでも読み取り機で使えます。
ライアンエアー公式アプリが起動しない場合に備えてスクショしておくと安心です。
一部の空港から出発する場合、必ず印刷が必要になります。
Boarding passes (搭乗券) と書かれたものを忘れずにプリントアウトして行きましょう。忘れると20ユーロ取られます。
印刷が必要になる空港は以下の10か所。
【モロッコ】Agadir、Essaouira、Fez、Nador、Oujda、Marrakesh、Rabat、Tangier
【ギリシャ】Kefalonia、Volos
これらの空港はQRコードリーダーが備わっていないため、紙媒体の搭乗券が必要です。QRコードが取得できないので分かると思います。
逆に、QRコードが取得できる場合は印刷不要ということです。
こちらはブダペスト空港。
制限エリアに入るゲートにQRコードリーダーが備わっていますので、搭乗券のバーコードもしくはQRコードをかざしてください。この先に保安検査場がありますので、お水などは飲んでしまいましょう。
ちなみに搭乗日の前日でしたが問題なく入れました。
そのおかげで、早朝からラウンジを3ヶ所も回って見ることができました。
プリントアウトした搭乗券も、QRコードも、同じ機械にかざします。
上の写真の人もアプリのQRコードを利用しています。
ビザチェックについて
これはライアンエアーが独自に行っているシステムで、シェンゲン協定内から協定外の国、またはその逆の場合、つまり、出発地か到着地のどちらかがシェンゲン協定外の国である場合必要になります。
仮に到着地で入国拒否された場合、ライアンエアーが責任を持って出発地へ輸送する必要があります。
それを避けるための措置なので、シェンゲン協定国内の移動では不要です。これはEU国民でない私たち日本人も同様です。
誤解している方が多いのでもう一度言います。
シェンゲン協定国間の移動なら、国籍に関わらずビザチェックは不要です。
3年前と今年の9月にシェンゲン協定内を移動した際、どちらでもビザチェックは不要でした。
念には念を入れ、ビザチェックを行っているカウンターで確認しました。
不要でした。
まぁ、国内線みたいなものですから当然なんですが。スタンプも押されないわけだし。
搭乗口からさらに歩きます。ライアンエアーの搭乗口はここに集まっています。
分刻みで各都市へ発着しているので、他の便の列に紛れてしまわないように注意してください。
搭乗時にステッカーを貼られた荷物は、機内に乗り込む直前にこちらのカートに荷物を置きます。セルフで。
規定以上のサイズの荷物を機内に持ち込むには追加料金を払わなければなりません。私は支払っていません。
そのことはボーディングパスに明記されていたはずですが、荷物が比較的小さいためか、バックパックだったからか、預けるためのステッカーを貼られず。大小1個ずつ、計2個の荷物を機内に持ち込むことができました。
多くの人はここで預け、到着後にターンテーブルで荷物を受け取るので、空港を出るまでに少し時間がかかります。
ちなみに、最終的に預けるからと言って規定以上の液体を持ち込むことはできません。保安検査通過時には全ての荷物を持っているので、通常通り液体は1個あたり100mlを超えず、合計で1000mlを超えないことが条件となります。
直前で預けますなどと訴えても保安検査員は聞いてくれません。
搭乗券を印刷しなくても、無事に搭乗できました。
ここまでくればあとは到着を待つだけ。
ライアンエアーがあらゆる面でコスト削減に力を入れていることは想像に難くありませんが、安全のしおりを前の座席に貼り付けるという徹底ぶり。
まあ・・・全員が必ず目に留めるから合理的ではありますけどね。
加えてしおりを収納するシートポケットなんかも不要になるというわけです。
私はいつもここにペットボトルを入れていたのですが・・・。
乗客の利便性を徹底的に無視した作りでコスト削減を実現させていますね。
2018年11月搭乗分より、バゲージポリシーが変更されました。
今までは、大小1個ずつの荷物を機内に持ち込めたのですが、今後は小バッグひとつ。
プライオリティ (追加料金6ユーロ) で航空券を購入すれば、今まで通り大小1個ずつ持ち込めるほか、優先搭乗となります。
プライオリティを購入できるのは先着95人まで。それ以降はCheck-in bag (預け荷物) 10㎏が利用できます。航空券と同時購入の場合は8ユーロ、それ以降~フライト40分前の間に追加購入した場合は10ユーロです。
2018年8月末までに航空券を購入していた場合はこれらの新ルールは適用されません。
今まで通り、大小1個ずつの荷物を持ち込めます。
ライアンエアーはこの変更により収益を上げることは期待していないと書いています。
あくまでもスムーズな搭乗のため、遅延を避けるためとのこと。確かに、20ユーロの追加料金を払いたくないがために手荷物だけで行こうとする人はけっこう多いです。
頭上のコンパートメントにムリヤリ詰めて時間を食うせいで離陸が遅れるというのは考えられますね。
それまでは20㎏の預け荷物に20ユーロを課金していたのを、10㎏ (8ユーロ) から預けられるようにしたので差し引きすると収益は変わらない。
利益を上げるためのルール変更ではないのだそうです。
20ユーロは払いたくない人でも、8ユーロなら預けてもいいかと思う人が多いと考えての料金設定なのでしょう。
アンケート調査とか心理学とかのデータを利用して決めるんだろうな、こういうのも。
ミニマリストパッカーの私としては、制限が厳しくなるほどチャレンジ精神に磨きがかかってきそうです。
新ルールでの手荷物 (小) のサイズ、具体的にどれくらい?
ちなみに、新ルールでの手荷物 (小) のサイズとは、42㎝×20㎝×30㎝。
これは、ライアンエアーの従来の小手荷物制限であった35×20×20㎝のおよそ倍の大きさ (とライアンエアーは言っていますが、実際は1.8倍。ま、細かいことはいいか) 。
仮にこの規定を25%超えるサイズのバッグを持ち込もうとした場合、その場で25ユーロが徴収されます。
重量に関しては記載が無いので、サイズだけの規定なのでしょう。
どこにも明記されていませんが、ライアンエアーに限らずバックパックはサイズ規定が緩い印象です。
スーツケースはコンパートメントに収まらない場合どうしようもありませんが、バックパックなら無理すれば収まるし、中身を抜いてしまえばいくらでも小さくなりますからね。
私のバックパックは各LCCの厳しい規定にも引っかかったことがありません。
14㎏の荷物を持ってライアンエアーに乗ったことがあります。
4㎏もオーバーしていましたが、バックパックだったためか私の荷物だけ計量されずスルーされました。本当は追加料金の対象になるはずだったのに。
ライアンエアーに、追加料金一切なしで乗る方法でした。それでは、よい旅を!