イタリア人は朝からそんなにたくさん食べません。コーヒーだけの人も多いです。
私が知っている人たちの例で言うと
①コーヒーのみ
②コーヒー+ブリオッシュやお菓子
③紅茶+フルーツ
④ワインとパン
日本人のように朝からスープやお米、ましてや魚を食べる人には会ったことがありません。
コーヒーはほとんどが直火式エスプレッソです。
一人暮らしでも大家族でも、老いも若きも、どのお宅でも上の写真のようなモカを使っているのしか見たことがありません。
たまにお金持ちのお宅でネスプレッソみたいなのを見かけますが、それでも直火式がメインなよう。
左は1人用、右は5人用くらい。
水とコーヒー粉をセットし、火にかけます。圧力で水が上に上がる仕組みになっています。
フィルターを通ってコーヒーが上に溜まれば出来上がり。コーヒーが上がる音でできたか判断します。
イタリア人は小さなカップ一杯のコーヒーにお砂糖をたっぷり入れて飲みます。
この日はチョコレートとビスコッティ、パンなどをコーヒーと一緒に頂きました。家に豆乳があったので、ソイラテにして飲みました。クロワッサンやウエハースなど、あるものを適当に食べるのが我が家流。
トレッキングや屋外での力仕事など、エネルギーを使う予定の日は、オムレツやソーセージなど、しっかりお腹にたまるものを食べます。
オニオンとチーズのオムレツ+サラミを挟んだサンドイッチなどがボリューム感と手軽さを兼ね備えていて朝食にもってこいです。
数日前に買ったパンがすっかり乾燥していたので、フレンチトーストを作りました。
卵と砂糖と牛乳を目分量で混ぜて
パンを浸しておくだけ。
朝起きたらなるべく早く食べたいので、前の晩に浸けて冷蔵庫に入れておきます。
乾燥していたので卵液をぐんぐん吸ってしまいました。本当に目分量なので、足りなかったらあとから牛乳を適量足します。
明日の朝が楽しみです。
朝からバターでカリっと焼いて、はちみつかシナモンシュガーをかけていただきます。
濃いコーヒーと甘いフレンチトーストがよく合います。でもイタリア人はフレンチトースト知りませんでした。
フレンチトーストっていうくらいだからおフランスの食べ物でしょうけど、何となく意外でした。
こんな食べ方があったのかと軽く感激されました。
乾燥したパンも無駄にしない、お財布に優しい朝ごはんですね。いつも利用しているパン屋さんは美味しくて人気だけどちょっぴり高いので。
お昼は簡単にパスタです。
タリアテッレという超幅広の平たい麺にソーセージとチーズを絡めたシンプルなもの。
さっと済ませたいときはパスタ一皿でおしまい。具だくさんなので、プリモとセコンドを兼ねていることにします。
その分夜は手間ひまかけます。トロトロになるまでお野菜とチキンを煮込みます。
お昼からコトコトと、スパイスのきいたポトフのようなものを作りました。
横に添えたチーズは、赤ワインに漬け込んだもの。村の人の手作りで、スーパーなどでは買えません。こういう貴重なものをお裾分けで頂けるのも田舎ならではですね。
上の写真は、切って数日経った切り口。酸化して茶色っぽくなっています。切りたてはぶどうの赤みがかった紫色が鮮やかです。
ぶどうの風味が爽やかで、とっても美味しいです。
チャパティを鉄板で軽く焼いてポテトと一緒に食べるとまたおいしい。
夕食のあとはおやつ作り。ゼロウェイストは難しいですが、少しでもゴミの少ない生活を目指しているので、簡単なものから手作りに挑戦しています。
スーパーで買ってきたヨーグルト。これを種菌に、自家製ヨーグルトを作ります。
牧場から買ってきた牛乳を低温で加熱殺菌します。6
0度で30分くらい加熱すれば、風味を損なわずに殺菌できます。かまどの上に置いて焦げないように時々かき混ぜ、温度が60℃まで上がったら保温できる場所に移動させて放置。
温度計が無いので60℃は触って判断。
「熱いのに慣れている私が1秒間指を浸けられないくらい」が目安 (分かりにくい) 。
お風呂のお湯の感じとか、人肌とか、そういうのと比較しての判断です。
ちなみに、カフェラテを作る時もミルクは60~65℃くらいに温めます。
それが一番ミルクの甘味を感じやすい温度なのだそう。確かに、お砂糖入ってるの?ってくらい甘くなります。
サイドで容器も殺菌中。部屋を暖めながら煮込み料理にヨーグルト作りまで。本当にかまどは便利です。
ちなみに日本にいる時は石油ストーブを使っています。
殺菌済みのガラス容器に、スーパーで買ってきたヨーグルトを小さじ一杯入れます。
この時スプーンも熱湯にくぐらせて殺菌。これを怠ると、雑菌が入ってカビが生えることがあります。
ヨーグルトの上から殺菌済みの牛乳を注ぎます。60℃だと乳酸菌が死んでしまうので、50℃を切るくらいまで冷ましてから入れます。
あとは一晩放置。28℃くらいが発酵の適温なので、適当な場所を探して置いておきます。
かまどの近くがちょうど28℃だったのでそこに放置。かまどの火が消えたら室温も当然下がりますが、放置時間を長くすればOK。細かいことは気にせず、28℃前後で6~10時間としておけば基本的に失敗はありません。
翌朝。10月は日の出もだいぶ遅くなり、私たちの方が早起きになりました。このときで7時40分。
秋の朝日は燃える様な赤い色。窓から差し込んだ光がガラスジャーを赤く染めます。
早速ヨーグルトチェック。写真だと分かりづらいですが、傾けてみるとちゃんとできていることが分かります。
混ぜるとトロトロのクリーム状になっています。
牧場から直接買った牛乳なので、脂肪分が多くミルクの甘味の残るヨーグルトです。
起床時まで10時間近く常温に放置していますが、気温の高い夏の昼間なら4時間くらいであらかた出来上がるので、過発酵を防ぐため、早めに冷蔵庫に入れて、あとはゆっくりと発酵させます。
そうすることで酸味の少ないマイルドなヨーグルトになります。
翌日はスーパーに行きました。甘いものがたくさんあって目を惹かれます。
イタリアのスーパーで野菜を買う時は、近くにあるビニールの手袋をはめるのがルールです。
手袋で掴んで、また別のビニールに入れます。プラゴミが無駄に増えるのが嫌ですが、ヨーロッパも神経質で潔癖症な人が多いので仕方ないです。
八百屋さんでは、お店の人に欲しい野菜を伝えるシステム。順番待ちをしながら買うものを選んでおきます。計量も袋詰めもお店の人がするので、勝手に触らないようにしましょう。
パンチェッタも購入。
お昼は家主のリクエストに応えてお好み焼きです。お好み焼きソースは日本から持ってきたもの。
これにマヨネーズやマスタード、ワサビ、パルミジャーノチーズなど、和洋取り合わせて頂きます。
魚粉などをたっぷり使ったので美味しいのができました。よかったよかった。
友人からカボチャをもらったので傷む前に調理します。ズッカ ジャポネーゼ、つまり日本のカボチャです。確かに見慣れた色と形です。
割ると芽が出ていました。完熟をやや過ぎた感ありますが、気にせず調理。
種を除いて取っておきます。
シナモンと一緒に圧力鍋にかけます。
柔らかくなったらハンドブレンダーでペースト状に。チーズや乾燥してしまったパン、サラミなどを入れて味を調え、栄養たっぷりのカボチャスープの出来上がりです。
余ったカボチャはパプリカなどと一緒に天ぷらに。オリーブやアーティチョークと一緒にオードブルとして頂きます。食べながら撮っているのでとっちらかっていますが、いつも作りながらつまみ食いしています。
こちらはブッラータと呼ばれるもの。クリーム状のミルキーなチーズをモッツァレッラチーズで包んで巾着状にしたものです。私の好物。
割った瞬間に流れ出すトロトロのクリームとチーズ。ミルクアイスのような優しい甘味と独特の触感にハマります。
この日のディナーはカボチャのスープ以外は冷えたものでしたが、暖炉のおかげで冷たいアンティパストも美味しく頂けました。
日本にいるときは、こたつでアイスクリームを食べるのが冬のささやかな楽しみですが、それに通じるものがあります。
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